2月度例会~地域資源戦略会議~開催報告

2024年2月8日(木)19時より、公益社団法人 彦根青年会議所 2月度例会~地域資源戦略会議~を開催させていただきました。

輝くひこね創出委員会、山田 雅崇委員長の力強い開会宣言により例会が始まります。

第71代澤井理事長の点鐘。
国歌斉唱、JCソング斉唱。
JCIクリード唱和、JCIミッション並びにJCIビジョン唱和、JC宣言文並びに綱領、LOMスローガン唱和と続きます。

続いて理事長挨拶をいただきました。
理事長からは、成長するうえで必要なことは挑戦と修練である。入会してからいろいろな役職を受け修練を積んできた山田委員長だからこその本例会を楽しみにしているというお言葉をいただき、心地いいいプレッシャーのもと、山田委員長が昨年から計画を練ってこられた2月度例会~地域資源戦略会議~がいよいよ始まります。

また、本日の例会では彦根ユネスコ協会の薩摩会長がご見学にお越しになられており、いつも以上に身の引き締まる中での例会でもありました。
彦根城世界遺産登録など私たち彦根青年会議所にも引き続き協力を賜りたいというお言葉、私たちの今後の活動の糧にさせていただきたいと思います。

それではいよいよ委員会タイムのスタートです。
今回のメインでもあります、彦根青年会議所活動エリアの2市4町からお越しいただきました講師の皆様のご入場です。

まず始めに本例会の担当委員長であります、山田委員長から趣旨説明をさせていただきました。

私たちの活動エリアであります2市4町には地域に根付く古き良き伝統、歴史、文化を始め数多くの地域資源があり、その価値や魅力を地域住民に伝え、愛郷心と誇りを育むためには、地域を先導すべき彦根青年会議所メンバーが地域資源について学びを深める必要があります。2市4町から講師をお招きし、各地域の地域資源についてお話いただくことで、メンバーが培ってきた学び、経験、知識を更に高め、今度の活動や運動に繋がる新たな活用方法を学ばせていただきたいという開催趣旨をご説明いただき講師の皆様のご講演に移ります。

最初にご講演いただきますのは、公益社団法人 彦根観光協会 事務局長 橋本 裕美様です。

彦根市の地域資源といえば誰もが思い浮かぶのが彦根城やひこにゃんですが、彦根城はすでに沢山の観光客の方々にお越しいただいております。
昨今トレンドの“昭和レトロ”の観点から、彦根市には彦根城だけでなく彦根銀座や花しょうぶ通り、袋町といった歴史情緒豊かな街並みが数多く残っています。
ですが、観光コンテンツ化されていないため、ニーズはあるがPR・広報しきれていない。また、街を歩き、写真を撮ってもらうだけでは観光消費は増えないため、レトロな街並みを通して、いかに「稼ぐ」戦略を立て、実施できるかが今後の課題だとお話いただきました。
また、私たち彦根青年会議所にも彦根城一点集中ではないイベントの開催や、新たな観光コンテンツの発見に繋がるような違う視点での情報発信を期待しているというお言葉をいただきました。
広報活動を通じて、私たちのまち彦根をよりよくするお手伝いが何かできないか、私たちも尽力したいと思います。

続きましてご講演いただきましたのは、一般社団法人 びわ湖の素 DMO 事務局長 法邑 英明様です。 

広大な自然が広がる米原市には、全国スキー場人気ランキング1位にも選ばれましたグランスノー奥伊吹や冬季に行われております関西最大級のイルミネーションでも有名なローザンベリー多和田、滋賀県最高峰の伊吹山、滋賀県唯一の新幹線停車駅でもあります米原駅など、有名な地域資源が沢山あります。
長岡、醒ヶ井エリアのホタルや日本のそば発祥の地ともいわれております在来種伊吹そばなどアピールポイントも盛りだくさん!
自然豊かな地域資源を活用し観光事業も大成功だと思われる米原市ですが、そんなことはございません。稼げる地域の観光資源が少なく、大型バスでの観光ツアーが何台も訪れていただけるのに、お土産や昼食といったお金を落としていただける場所がない→財源がないため駐車場や公衆トイレなどの設備ができない→渋滞やゴミ問題といった負のスパイラルに陥ってしまうという問題点も語っていただきました。
また、自然が多い故に自然を保護するには維持費がかかるが、入場料は取れないという米原市ならではの課題も。
私たち彦根青年会議所には、彦根城の世界遺産登録と合わせて、米原駅を玄関口とした導線の整備や米原駅観光案内所を彦根に来られる県外観光客やインバウンドの最初の窓口として、丁寧な対応をするために何か協力いただけないかとおっしゃっていただき、私たちも何かできることがないかと感じました。

続きましてのご講演は、多賀町立文化財センター 音田 直記様です。

多賀町の魅力といえば多賀大社!かと思いきやな、なんとアケボノゾウ!!
アケボノゾウ化石多賀標本は令和4年に国の指定天然記念物に認定され、多賀町で発見されたアケボノゾウ化石は全国でもっとも完全に近い形で発見された化石であり、産出部位は日本一!400万年もの歴史のある琵琶湖ですが、アケボノゾウ化石は180万年前の地層中から発見されました。福井県は「恐竜」といったように「ゾウ」は滋賀県を代表できるもので、多賀町は「アケボノゾウ」で押し出していきたいと熱く語っていただきました。
アケボノゾウの復元骨格は多賀町立博物館にも展示されていますし、アート展も開催されておられます。
また、「YOBISHIプロジェクト」という多賀町の食文化を調査・記録し後世に伝承するといった取り組みや、「つながろほん」というまち歩きスタンプラリーなども開催されておられます。自分たちの住み暮らすまちなのにお恥ずかしながら知らなかったことも多く、新しい発見を沢山いただいた多賀町さんの講演でしたが、行政や関係団体等との連携不足や予算不足といった課題点もお話いただき、私たち彦根青年会議所にも情報の共有や広域連携をお願いしたいと言っていただき、私たちもできうる限りの協力をしたいと感じました。

続きましてご講演いただきましたのは、甲良町観光協会 事務局長 若林 嘉昭様です。

甲良町の地域資源と言えば、金剛輪寺・百済寺とともに湖東三山のひとつにも数えられ、秋には全国的にも紅葉で有名な天台宗寺院、西明寺です。(本堂と三重塔は国宝にも指定されています)また、甲良町は偉業を成し遂げその名を今に残す三大偉人 佐々木 道誉公(1296~1373)・藤堂 高虎公(1556~1630)・甲良豊後守 宗廣公(1574~1646)の郷土でもあり、現在にも有形無形の財産を残しています。
秋には1000本を超える紅葉が境内を真っ赤に染め、なんとも綺麗な光景が沢山の観光客を呼び寄せる西明寺ですが、秋の紅葉シーズンのみ観光客が多いことが課題点だとお話いただきましたが、実は西明寺、紅葉だけではなく新緑の季節に見せる石垣に広がる苔が美しいことでも話題になっております。
また、甲良町公認キャラクターでもあります、戦国大名 藤堂高虎をNHK大河ドラマにと働きかけているというお話もお伺いし、そのためにも私たち彦根青年会議所にも、井伊家と一緒にもっとアピールしていってほしい、西明寺でも秋以外の季節にも沢山の観光客の方々に来ていただけるようにライトアップやコンサートなどのイベント・事業に協力いただきたいとおっしゃっていただき、私たちも夢の実現に向けてどのようにすればお役に立てるのかと考えるきっかけをいただきました。

続きましてのご講演は豊郷町観光協会 会長 岡村 博之様です。

豊郷町といえばここ数年で全国的にも有名になりましたアニメ「けいおん」の聖地でもあります豊郷小学校旧校舎群。(アニメ好きの芸能人やアイドルなんかもおしのびで来られたりも...)そんな豊郷小学校は昭和12年に建築家のウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏の設計で建てられたことでも有名ですが、当時は「白亜の教育殿堂」「東洋一の小学校」といわれ、平成25年には国の登録有形文化財にも登録されました。
また、「三方よし」の近江商人で有名な滋賀県ですが、現在でも活躍する大手企業の創設者などを数多く輩出しています。その中でも大手商社「丸紅」「伊藤忠商事」の創始者であります初代伊藤忠兵衛の本家はここ豊郷町であり、現在では伊藤忠兵衛記念館となっております。同じく、“缶詰王”とも呼ばれた近江商人藤野 喜兵衛の旧邸は現在、歴史資料館「豊会館」として開放され、庭園は県の名園百選にあげられるなど、数多くの近江商人の出身地でもあります。その近江商人の精神を現在にも引き継いでおられます、㈱岡村本家さんは彦根藩主井伊直弼公より酒造りを命じられ安政元年に創業。国宝彦根城の別名「金亀城」から拝命された酒銘「金亀(きんかめ)」は滋賀県を代表する日本酒のひとつです。
小さなまちでも何もないからこそ創っていける良さがあるとお話いただきましたが、全体的にいろいろな面での人材不足が課題点ともおっしゃっておられました。
それを踏まえて私たち彦根青年会議所にも人材不足解消のためのボランティアネットワークや広域的な観光連携の取りまとめなどをお願いしていただき、私たちの今後の課題としても考えていかなければいけないと感じました。

最後にご講演いただきましたのは、一般社団法人 愛荘町観光協会 事務局長 松田 葉子様です。

多くの伝統工芸品で有名な愛荘町といえば愛知川びん細工手まりが有名です。
びん細工は数々あれど、鮮やかな手まりが入った細工物は珍しく、製作体験には各地から沢山の方々がお越しになられます。また、清らかな水に恵まれた愛荘町は、室町時代から続く麻織物の産地でも有名です。近江上布は約50年前の昭和52年に国の伝統的工芸品として指定されました。中山道愛知川宿や、その本陣跡地に建てられました近江銀行なども有名ですが、愛荘町のすごいところは地元の地域資源を全て詰め込んだイベントを開催されているところです!ひとつひとつは小さなアピールポイントでも、それを全部まとめて大きなイベントにするという発想の転換には私たちも勉強させていただくところが沢山ありました。
近江を貫く中山道の“愛知川宿”をレース会場として、“愛知川びん細工手まり”を模した大玉をころがしてタイムを競う。大玉は“近江上布”にも使われる伝統模様をデザイン。その日は中山道に交通規制をかけ3人1組で行う「全日本中山道びん手まりころがし」には、毎年家族やクラブ活動仲間、職場の仲間など町内外から沢山の参加者が集まります。今後の課題点は常に新たな広がりを求めている当イベントをもっと多くの方々に知っていただきたいということで、私たち彦根青年会議所メンバーにも是非参加してほしいと言っていただきました。
今年の夏はメンバーの勇姿を是非ともカメラにおさめに行きたいと思います!

2市4町のアピールポイントや問題点・課題点など、それぞれの地域資源について沢山の学びを得たあとは、私たち彦根青年会議所メンバーが4つのグループに分かれ、グループディスカッションを行いました。
テーマは毎年5月に開催されます「彦根城写生大会」と11月に開催予定の秋事業「11月度事業例会」です。
どちらか好きなテーマを選び、地域資源の活用方法や魅力の発信等についてディスカッションを行い簡易的な事業計画を各グループで話し合い作成します。

30分という限られた時間の中で、事業名・目的・開催場所・開催日時・外部協力者・事業内容・予算など、それぞれの意見を出し合い4者4様の事業計画が出来上がりました。
続いて各グループの代表者に出来上がった事業計画を発表していただきます。

いらなくなった衣服や布を集めて巨大鯉のぼりを作ろう!や2市4町の各魅力スポットを巡るスタンプラリーなど30分で仕上げたとは思えない各グループの個性の光る内容となり、それぞれの長所を集約すれば壮大な事業になるだろうと思うような内容にメンバー一同更なる学びを得ることができました。

最後に中西副理事長から本日お越しいただきました講師の皆様へ謝辞を述べさせていただき、盛大な拍手をもって講師の皆様をお見送りさせていただきました。

日頃当たり前のように感じていたものや、まだまだ知らなかったこと、私たちの住み暮らすまちには沢山の地域資源があるということを改めて教えていただき、それを今後いかに活用していくかを学ばせていただいた大変実りのある例会となりました。
本例会での学びを今後の青年会議所活動に活かすにはどうするべきなのか、私たちの課題も考えさせていただくきっかけもいただきました。
ご多用の中お越しいただき素晴らしいご講演をお聞かせいただきました講師の皆様、本当にありがとうございました。

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